「ひなたさんと、こういうことしたかったんです」
そう言いながら、エミリーちゃんはあたしを後ろから抱きしめながら、あたしの胸に手を伸ばす。
そして、服の上からそのまま指であたしの乳首を摘むと、くりくりと弄り始めた。
あたしは、エミリーちゃんに胸を触られただけで感じてしまい、甘い声を漏らしてしまう。
エミリーちゃんはそんなあたしを見て満足そうな表情を浮かべると、今度はスカートの中に手を突っ込んできた。
そしてショーツの上から割れ目をなぞるようにして指を這わせてくる。
その刺激に、あたしはビクンッと身体を震わせた。
そんなあたしに構わず、エミリーちゃんは執拗にそこを責め続けた。
やがて、あたしのそこはじんわりと湿り気を帯びてくる。
それを確認したエミリーちゃんは、今度は直接そこに触れてきた。
くちゅっという音と共に指が入ってくる感覚に、あたしはまた身体を震わせる。
そんなあたしの様子を楽しむかのように、エミリーちゃんはゆっくりと指を動かし始めた。
最初は浅いところを擦るように動かしていたが、次第に奥の方まで侵入してくるようになる。そしてついには根元まであたしの中に埋まった。
そこで一旦動きを止めると、今度は中で指を折り曲げたり伸ばしたりする動きに変わった。
その度にあたしはビクンビクンと反応してしまう。
そんなあたしの様子を楽しそうに眺めながら、エミリーちゃんはさらに激しく責め立ててきた。
やがて限界を迎えたあたしは、絶頂を迎えたのだった。
そこで、目が覚めた。
(……最悪だ)
最悪の目覚めだった。
夢の中とはいえ、エミリーちゃんとあんなことを……。しかも、それで感じてしまっている自分がいるというのが信じられなかった。
夢の中の続きのように、ショーツは愛液でぐっしょりと濡れていた。
ベッドの横の布団で寝ているはずのエミリーちゃんを見ると、エミリーちゃんはまだ眠っているようだった。
あたしはホッと胸を撫で下ろすと、ベッドから降りて着替えることにした。
タンスからショーツを出すと、トイレに行き、そこで着替える。そして、汚れた下着を洗面台で軽く洗って洗濯機に放り込んだ。
(どうして、あんな夢を……)
そんなことを考えていると、後ろから声をかけられた。
振り向くとそこにはエミリーちゃんが立っていた。
どうやら起きたらしい。
あたしは咄嗟に笑顔を取り繕うと、エミリーちゃんに話しかけた。
「エミリーちゃん、起こしちゃったかい?」
しかし、エミリーちゃんは何も答えずにただじっとあたしを見つめているだけだった。
その目はどこか虚ろで、焦点が定まっていないように見える。
(どうしたんだろう?)
心配になったあたしはエミリーちゃんの目の前で手をひらひらさせてみたが、それでも反応はなかった。
エミリーちゃんは何かをぶつぶつと呟いているようだったが、声が小さくてよく聞こえない。
耳を澄ますと聞こえてきたのは……
「ひなたさん、すきです」
そんな言葉だった。
一瞬ドキッとしたけれど、すぐに冷静になる。これはきっと寝言だろう。夢の中で誰かと会話でもしているのだろうか? そう思ってしばらく様子を見ることにしたのだが、いつまで経ってもその状態が続くのでさすがに心配になってきた。
あたしはエミリーちゃんに声をかけながら肩を揺すってみることにした。
「ひなたさん……」
ようやく反応があって、少しほっとするが、エミリーちゃんの瞳はいまだにどこか虚ろで、心配になる。
「エミリーちゃん。大丈夫かい?」
そう問いかけたあたしに、エミリーちゃんはいきなり抱きついてきた
「ちょ、エミリーちゃん、どうしたんだい?」
かなり強い力で抱きしめられてほとんど身動きが取れない状態になっていた。
「ねえ、ちょっと……。エミリーちゃん?」
慌てて離れようとするが、ますます強く抱きしめられてしまった。
「ひなたさん……」
「ねえ、エミリーちゃん? あたしだよ? ひなただよ?」
名前を呼んでも反応がない。どうやら完全に正気を失っているようだ。
「ひなたさん……」
名前を呼んでも反応はない。背中をぺしぺし叩いても、反応は変わらず、ただひたすらにあたしの名前を呼ぶだけだ。
(どうしよう……)
あたしは途方に暮れていた。変な病気じゃないといいけど。
そんな風にエミリーちゃんの心配をしていると、突然、唇に柔らかい感触が伝わってきたのだ。
驚いて目を見開くとそこにはエミリーちゃんの綺麗な顔があった。そして今自分が何をされているのかを理解した瞬間、一気に顔が熱くなるのを感じた。
(キスされてる!?)
突然のことに混乱し、思わず、エミリーちゃんをはねのけようとしたが、普段では想像もつかないくらいの力で、抱きしめられていて、ピクリともしなかった。
それどころか舌まで入れられてしまい、完全にされるがままの状態になってしまった。
「んっ……ちゅっ……」
エミリーちゃんの舌があたしの舌に絡みついてくる。そして、歯茎や上顎などを舐め回されてしまい、その度にゾクゾクとした感覚に襲われた。
(なにこれ……?)
今まで感じたことのない感覚に戸惑いながらも必死に抵抗するが、やはりビクともしない。
エミリーちゃんはそんなあたしの様子を楽しむかのように激しく責め立ててきた。
歯茎の裏や上顎など口腔内のあらゆるところを舌で刺激してくる。
そのたびにあたしの四肢から力が抜けていき、あたしはビクビクと身体を震わせることしかできなかった。
今まで感じたことのない感覚と、息苦しさに、徐々に頭がボーッとしてきて何も考えられなくなる。
「んっ……ちゅっ……」
エミリーちゃんのキスが激しくなるにつれて、気がつくと、あたしからもエミリーちゃんの舌に絡めてしまっていたのだ。
完全にスイッチが入ってしまったあたしは、自ら積極的に舌を動かしていた。
すると、エミリーちゃんもそれに応えるように激しく応えてくれるようになり、あたしたちはお互いの唾液を交換し合うような激しいディープキスをしていたのだった。
あたしの体感的には10分くらいだろうか? かなりの長い時間、あたし達は唾液を交換し続けていた。
エミリーちゃんがゆっくりと唇を離すと、あたしとの間に銀色の橋がかかった。
それがなんだかとてもいやらしくて、あたしは思わず赤面してしまう。
そんなあたしを見て、エミリーちゃんは妖艶な笑みを浮かべると耳元で囁いた。
「ひなたさん……すきです」
その言葉を聞いた瞬間、あたしの顔は一気に赤く染まった。その好きという言葉は、ただの好意ではないと、理解してしまったから。
恥ずかしさのあまり顔を背けるが、それでもなお、エミリーちゃんは耳元で囁き続けた。 まるで洗脳するかのように、何度も何度も、同じ言葉を繰り返すのだ。
「ひなたさん……だいすきです」
しばらくの間、あたしはエミリーちゃんに愛の言葉を囁かれ続けた。
あたしはドキドキと胸を高鳴らせながらも、その言葉を聞き続けた。
それはまるで麻薬のようにあたしの思考を麻痺させていくのだった。
そんなあたしの様子を楽しむように、エミリーちゃんはあたしに「すき」を囁き続ける。
「ひなたさんと、こういうことをしたい思ったんです」
しばらくの間、愛の言葉をささやき続けたエミリーちゃんは、そう言って、あたしのパジャマを脱がせ始めた。
エミリーちゃんの愛の言葉に囚われてしまっていたあたしは、エミリーちゃんの行動に全く抵抗が出来ず、あっという間に下着姿に剥かれてしまった。
エミリーちゃんは下着姿になったあたしをベッドの上に寝かせると、自身もパジャマを脱ぎ捨てた。そして、再びあたしに覆い被さってくると耳元で囁いた。
「ひなたさん、愛しています」
その言葉を聞いた瞬間、あたしはゾクリとした感覚に襲われた。まるで脳に直接響くかのような甘い囁き声によって思考能力が低下していくようだった。
そして、エミリーちゃんはあたしの耳を甘噛みするとそのまま舌を這わせ始めた。
ピチャッ、という音と共に熱い舌の感触が伝わってくる。
それと同時にゾクッとした快感に襲われ、あたしは思わず声を上げてしまった。
「ひゃうっ」
その反応を見て気を良くしたのか、エミリーちゃんはさらに耳への愛撫を続ける。次第に頭の中が真っ白に染まっていくような感覚に陥りつつあった時のことだった。
不意にエミリーちゃんが離れていったかと思うと今度は首筋を舐め上げられたのだ。
その瞬間、全身に電気が流れたかのような衝撃に襲われると共に、あたしはビクンッと身体を仰け反らせた。
「ひぁっ……はぁっ」
あまりの快感に息を荒げているあたしを見下ろしながら、エミリーちゃんは妖しく笑うと言った。
「ひなたさん、可愛いです……」
そして再び顔を近づけてくると、今度は鎖骨のあたりを舐め始めたのだ。生暖かい舌の感触に背筋がゾクゾクとする感覚に襲われるが、不思議と不快感はなかった。むしろもっとして欲しいと思ってしまう自分がいて困惑するほどだった。
(なんでぇ?)
今まで感じたことのない感情に戸惑っていると、エミリーちゃんはあたしの胸へと手を伸ばしてきた。そして優しく揉み始めたのだ。最初はゆっくりとだったが徐々に強くなっていく手の動きに合わせて、あたしは甘い吐息を漏らすようになっていった。
「あっ……んっ……」
くすぐったかった感覚はすぐに快感へと変わっていた。時折先端を摘まれる度にビクンッと身体が跳ね上がるほどの強い刺激に襲われる。
「ひなたさん……」
エミリーちゃんがそう言った直後、生暖かい柔らかいモノが乳首を襲った。
エミリーちゃんがあたしの胸の先端を口に含んだのだ。そして、舌で転がすように弄び始めたのである。
その瞬間、今まで感じたことのない感覚があたしを襲った。
「あんっ」
あたしも年ごろの女の子だから、ひとりエッチはしたことがある。そのときに胸を触って快感を得ることはよくあることだった。
しかし、エミリーちゃんから送られてくる快感は一人遊びで得たことのある快感を何倍も上回っていた。
強烈な快感に頭が真っ白になりそうだった。
あたしが快感に悶えている間にも、エミリーちゃんの舌の動きはさらに激しさを増していき、さらなる快感を送り込んでくる。もう片方の乳首は、人差し指で何度も何度も弾かれ弄ばれていた。両方の胸から異なる種類の刺激を与えられ続け、あたしの頭の中はさらに蕩けていく。
「あっ……あんっ……」
無意識のうちに口から漏れていた声は自分でも驚くほど甘く艶っぽいもので、それを聞いたエミリーちゃんが笑みを浮かべたような気がしたが、もはやそんなことを気にする余裕はなかった。
ただひたすら快楽に身を任せるだけの状態でいると、下半身に強い疼きを感じたあたしは無意識のうちに太腿を擦り合わせていた。
エミリーちゃんはそんなあたしの様子を見て小さく笑うと、乳首を弄んでいた指を下の方へと伸ばしていったのだ。
そしてショーツの中に手を滑り込ませると、直接割れ目に触れてきた。その瞬間、今まで以上の快感が全身を襲ったのである。
「ひゃうっ!」
思わず大きな声が出てしまい慌てて口を塞いだのだが既に遅かったようだ。それを聞いたエミリーちゃんがククッと笑ったような気がしたが、それどころではないくらいにあたしは快楽に溺れていた。
乳首を弄ばれて送られてきた快感より、より強い快感があたしを襲ったのだ。
それを見たエミリーちゃんが、妖しい笑みを浮かべているのが見えた。
そして、あたしのショーツに手をかけると一気に脱がせてしまったのだ。
あたしは慌てて足を閉じようとしたが、その前にエミリーちゃんに押さえつけられてしまったため、それも叶わなかった。
エミリーちゃんは、そのままあたしの両足を大きく開かせると、その間に自分の身体を入れてきた。足を閉じることは出来ず、あたしのそこはエミリーちゃんに対して、完全に無防備になってしまった。
エミリーちゃんはあたしのそこにゆっくりと顔を近づけてきたかと思うと、そっと口づけをしてきた。
最初は触れるだけの軽いものだったのだが次第に深いものへと変わっていった。エミリーちゃんの舌があたしの中に侵入してきて、内部を蹂躙していく。
「んっ……ちゅっ……ずぞっ」
「エミリーちゃん、汚いよぉ、そんなところ舐めないで……」
今までの行為であたしのそこはぐしょぐしょに濡れていた。
エミリーちゃんはあたしの言葉を無視して美味しそうに、そこから漏れ出すあたしの愛液を啜る。その音を聞くたびに羞恥心が湧き上がってくるのだが、それ以上に興奮している自分がいた。
「エミリーちゃん、それ、だめ……」
あたしの拒否をよそにエミリーちゃんはさらに強く吸い付いてきた。その瞬間、全身に電流が流れたかのような衝撃に襲われると同時に目の前が真っ白になったような気がした。あたしは絶頂を迎えてしまったのだ。
しかし、それで終わりではなかったのだ。
エミリーちゃんはまだ満足していないようで、今度は指を中に入れてきたのだ。
「いや、ちょっと、エミリーちゃん。待って」
あたしは慌てて制止の声を上げるが、エミリーちゃんは止まらない。それどころかさらに深くまで侵入してきたのだ。
身体が貫かれる。貫かれたところから、強い痛みを感じた。
「いぃ」
その痛みに、言葉にならなかった。
「痛いですか?」
エミリーちゃんが心配そうな声で聞いてくる。
「痛いよぉ、エミリーちゃん」
何が起こったのかわからなかった、突然あたしを襲った痛みに、あたしは混乱するばかりだった。
「ごめんなさい、ひなたさん。でも、もう少しだけ我慢してくださいね」
そう言った後、エミリーちゃんはあたしの下腹部を触った。
すると、不思議な文様が下腹部に浮かび上がった。
「な、何これ?」
「これは私の魔力を込めた淫紋です。これでもうひなたさんは私以外の人では満足できなくなりました。私はちょっと嫉妬深い方ですから、浮気はできないよう、ちゃんと印をつけさせてもらいます」
そう言ってエミリーちゃんは微笑むが、その目は全く笑っていなかった。本気で言っていることがわかる。
「痛いのも最初だけです。すぐに気持ちよくなりますから安心してください」
そして再び指を入れてくる。今度はゆっくりと優しく動かされた。それと同時に下腹部の淫紋が光り始める。その瞬間、あたしは全身に電気が流れたかのような衝撃を受けた。
「ひゃうん!?」
突然のことに思わず変な声が出てしまう。エミリーちゃんはそのまま指を動かし続ける。
膣内の痛みの全部が次の瞬間には快感に変わっていた、そして膣内からお腹に向かって熱いものが込み上げてくるような感覚に襲われる。
「あっ、ああっ!」
あまりの激しい快感に、あたしは思わず大きな声を上げてしまう。まるでお腹の中を直接掻き回されているかのような快感。今まで経験したことのないような強烈な感覚に、あたしは為す術もなく翻弄されていた。
「どうですか、ひなたさん?」
エミリーちゃんが聞いてくるが答えられない。それどころではなかった。
全身の血液が沸騰しているかのように熱くなり、頭が真っ白になるような感覚に襲われる。
「ああっ、いやぁぁっ! ダメぇぇっ!」
今まで感じたことのないような強烈な快感に恐怖を覚えたあたしは、無意識のうちに叫んでいた。しかし、それでもなおエミリーちゃんの手の動きは止まらず、むしろ激しさを増したように見えた。膣内の指の動きが激しくなるにつれて、お腹の奥から何かがこみ上げてくるような感覚が強くなってゆく。
混乱しながらもただひたすら快楽に身を任せることしかできないでいると、突然今までよりも強い刺激に襲われたのだ。膣内のある一点を強く擦られた瞬間だった。
その瞬間、目の前に火花が散ったかのような衝撃に襲われて、一瞬意識を失いかけたほどだった。そして次の瞬間には今までとは比べものにならない程の快楽が襲ってきた。
「ひゃぁぁぅんっっ!」
という甲高い悲鳴を上げながら大きく仰け反っていた。快楽があたしの中でどんどんたまっていき、大きくなっていく。
「ひなたさん、可愛いです」
そう言ってエミリーちゃんは優しくキスをしてくれた。
エミリーちゃんはあたしに深い口づけをしながら、膣内に入れた指を激しく動かしてきたのである。初めはゆっくりだったその動きは次第に激しさを増していき、最後には子宮口を突き上げてきたのだ。
「ああぁんっ! ああぁっ!」
という悲鳴のようなあたしの嬌声はエミリーちゃんに食べられてしまい、あたしはくぐもった声を上げながら身体を弓なりに反らせる。
しかしそれでもなおエミリーちゃんの指の動きは止まることはない。むしろより一層強くなっていく一方である。
あまりの激しい刺激に、あたしの意識はもうほとんど残っていなかった。ただひたすら暴力的なまでの快楽に身を委ねることしかできなかったのだ。
「ひなたさん、イきそうですか? いいですよ、そのまま私の指でイッてください」
「ああぁぁっ! ああぁっ!」
もう自分が何を言っているのかもわからないままひたすら声を上げ続ける。
そして、ついにその時がやってきた。今までで一番強い快楽に襲われた瞬間、頭の中で何かが弾けたような感じがした。
今までとは比べものにならない程の強烈な快感に襲われて目の前が真っ白になったかと思うと全身が痙攣し始めるような感覚に襲われたのだ。
「あぁああんっ!」
という大きな叫び声をあげながら背中を大きく仰け反らせる。それと同時にエミリーちゃんの指をきつく締め付けていたようだった。膣内からは大量の愛液が流れ出ており、シーツに大きな染みを作っていた。そして今まで経験したことの無いような深い絶頂を迎えたのである。
その直後だった。股間から大量の熱い液体が溢れ出てきたのを感じたのは……。
ちょろちょろと流れる金色の液体は止まることを知らず、ベッドシーツに大きな染みを作っていった。
しかし、それを恥ずかしいと思う余裕すらなかった。それほどまでに凄まじい快感だったのだ。
全身がビクビクと震えるような痙攣を繰り返し、視界がチカチカとする。
そんなあたしの姿を見て、エミリーちゃんは嬉しそうに微笑んでいた。
そしてまた、あたしに口づけをしてくるのだった。
今度は優しく労るようなキスだった。
舌を絡ませ合う濃厚なものではないが、それでも十分に気持ちが良かった。
お互いの唾液を交換し合い、時折軽いリップ音を立てつつ唇を離すと二人の間に銀色の橋がかかったのが見えた。
それをペロリと舐め取るエミリーちゃんの姿はとても妖艶で美しかった……
「ふふ、上手に潮吹きできましたねぇ。それにお漏らしまでして」
「しおふき?」
聞き慣れない単語に思わず聞き返すとエミリーちゃんが教えてくれた。どうやらこれは女性が絶頂を迎える時に起こる現象らしい。潮吹きというのは女性の尿道口から液体が噴き出してしまうことを言うらしい。初めて聞く言葉だったけれど、確かにこの感覚は今まで味わったことのないものだったと思う。
「ひなたさん、気持ち良かったですか?」
「うん……すごく気持ちよかった……」
そう答えるとエミリーちゃんは満足そうな表情を浮かべた。そして優しくあたしを抱きしめてくれる。エミリーちゃんの温もりを感じながらも次第に意識が遠くなってきた。どうやら体力を使い果たしてしまったらしい。身体が思うように動かないし頭もボーッとしてきたような気がする。
そんなあたしの様子を見てエミリーちゃんが言った。
「大丈夫ですよ、ゆっくり休んでくださいね」
そう言われてあたしの意識は完全に闇に落ちたのだった。
次の日の朝、目が覚めると隣にはエミリーちゃんはいなかった。
状況が理解できず、慌てて飛びおきる。
「え? 夢?」
あたしは一度夢から覚めて、家にいるエミリーちゃんとエッチなことをして、そのまま疲れ果てて眠ったはずだった。だから、あたしが起きた時、エミリーちゃんはそばにいるはずなのだ。あたしはもう一度あたりを見渡した。
しかし、あたしはそばで寝ているはずのエミリーちゃんを、見つけることが出来きなかった。
ただ。夢の中であたしが盛大に感じて「おもらし」してしまったは現実だったようで、パジャマのズボンと布団が盛大に濡れていた。一番夢であって欲しいことは、夢ではなかったみたいだ。あたしはとりあえず、シャワーを浴びることにした。
シーツやパジャマは後で洗濯をすることにして、今はとにかく身体を綺麗にしようと思ったのだ。
あたしは急いで脱衣所に向かいぐしょ濡れになったパジャマとショーツを洗濯機に入れると浴室に入ってシャワーを浴びた。
「はぁ……」
小さくため息をついて、汚れている股間を洗う。股間はヌルヌルとしており、あたしがあの夢でどれくらい興奮してしまったのかが見て取れた。それが恥ずかしくて顔が熱くなる。シャワーを浴びて股間の汚れを落とした後には、恥ずかしさよりも惨めな気分になっていた。
ここ数日、エミリーちゃんとエッチなことをする夢をよく見る。最初はキスだけだったのけれどだんだんエスカレートしていき、そして昨日。
(どうしてあんな夢見たんだろう……)
昨日のことを思い出すだけで恥ずかしくなる。夢の中とはいえエミリーちゃんに、あんなにもイカされるなんて思いもしなかったのだ。
それに最後は漏らしてしまうという失態まで犯してしまったのである。夢の中だけだったらまだしも、それはだけは現実だった。穴があったら入りたい気分だった。
あたしは、確かにエミリーちゃんのことは好きだ。だけどそれはあくまでも友達としてであってそれ以上の感情は無いはず。……だと思う。
なのに何故あんな夢を見てしまったのだろうか??
あたしはもう一度ため息を吐くと、シャワーを止めて浴室から出るとバスタオルを手に取るのだった。
身体を拭き終える頃には少しは頭も整理できていた。なんであんな夢を見てしまったのかはよく分からないけれど、とりあえず今は気にしないようにしよう。考えてもしょうがないことは、考えてもしょうがないのだから。
そう決めることにした。
さてと、そうと決まったらベッドの処理をしなきゃ。
あたしは裸のまま部屋に戻ると、ベッドのシーツを剥がし、洗濯機に放り込んだ。
そして部屋着を着ると、乾いたバスタオルを布団に押しつけ、敷き布団に染み込んだ水分を吸い取っていく。
染み込んだ水分をとれるだけ取ってバスタオルを洗濯機に投げ入れ、洗濯機を回した。
その後、敷き布団をベランダに持って行き。風で飛ばされたりしないようにしっかり留め具をかける。これであとは乾くのを待つだけだ。
一段落ついたところで時計を見ると、10時になるところだった。
携帯を見てみても、特に連絡は入ってはいなかった。
あんなことがあったとはいえ、これ以降はのんびりとした休日になりそうだ。
朝ご飯、どうしようかな? そう思ったところで、チャイムが鳴った。
「は〜い」
と返事をしながら扉を開けると、そこにはエミリーちゃんが立っていた。
「おはようございます、ひなたさん。連絡も無く、突然来てしまってすみません」
そう言ってエミリーちゃんは深々と頭を下げる。
「え、あ、お、おはよう。エミリーちゃん。急にどうしたんだい?」
夢で見た痴態が頭によぎり、普通に返事が出来なかった。
その一方で、エミリーちゃんの連絡もなくという言葉で、さっきの出来事はやっぱり夢だったんだということを理解した。
ちょっと外出していただけなら、只今戻りましたとエミリーちゃんなら言うはずだから。
「ひなたさんに急ぎでお話ししたいことがあって……。1時間程度、お時間をいただきたいのですが……。大丈夫でしょうか?」
エミリーちゃんは、かなり真剣な表情をしてあたしにそう言った。
エミリーちゃんが連絡も無く、慌てて来るくらいの用事だ。きっと大事なことなのだろう。
幸いなことに、今日のあたしはお休みだった。
「今日は特に用事が無いから、大丈夫だよ。とりあえず、中に入って」
そう言って、あたしはエミリーちゃんを部屋の中に招き入れる。
そして、いつものように向かい合って座ったのだけれども、エミリーちゃんはあたしのことを見ることもなく、ただただ俯いていた。
「エミリーちゃん。何があったんだい?」
その問いに、エミリーちゃんは答えなかった。エミリーちゃんにとって、かなり重大な問題が起こっているようだ。
あたしはエミリーちゃんがしゃべるのを辛抱強く待った。
エミリーちゃんはかなり長い間俯いていたが、大きくため息をついた後、顔を上げて口を開いた。
そしてその内容を聞いて、あたしは自分の耳を疑った。それくらい、それは衝撃的な告白だった。
「え? 今なんて??」
突然のことに頭が追いつかず固まってしまうあたしにエミリーちゃんはもう一度同じことを言ってきた。
今度ははっきりと聞き取れたその言葉に、あたしはますます混乱していくしかなかったのである。
エミリーちゃんの口から飛び出した言葉は、とても信じられないものだったからだ。
冗談かと思ったが、エミリーちゃんの顔を見れば真剣なことは一目瞭然だったし、そもそもエミリーちゃんはこんな真剣な顔をして、冗談をいうような娘じゃない。
だからこそ、あたしはその言葉の衝撃に、なおさら戸惑ってしまうのだ。
エミリーちゃんは、あたしにこう言ったのだ。
「私、サキュバスだったんです」
と……。
あたしはポカンと口を開けたまま、俯いているエミリーちゃんを見ることしか出来なかった。
それからしばらく沈黙の時間が続いた。お互い何を話したらいいのか分からず、ただ時間だけが過ぎていくばかりだ。
(えっと……まずは確認しよう……)
あたしは少し冷静になって考えることにした。
まず、エミリーちゃんは本当にサキュバスなのか? ということ。そしてどうしてそんなことが言えるのか? ということの二つだ。
まず一つ目についてだけれど、これは本人に直接聞くしかないだろうと思う。
「あの、エミリーちゃん?」
あたしは恐る恐る、エミリーちゃんに声をかけることにした。
するとエミリーちゃんはビクッと肩を震わせた後で、ゆっくりとあたしの方に顔を向けた。その表情には不安の色が浮かんでいるのが分かる。
「あ……、はい……」
消え入りそうな声で返事をしたエミリーちゃんに、あたしはそれ以上何を言ったらいいのか、わからなかった。
だから、まずは落ち着いてもらうためにも、エミリーちゃんの隣に座り、そっと手を握った。
エミリーちゃんは一瞬驚いたような表情を浮かべた後で、おずおずと手を握り返してきた。
「あの……、ごめんなさい」
そして、エミリーちゃんは小さな声で謝罪の言葉を口にしたのだ。
「え?」
突然のことに戸惑うあたしに、エミリーちゃんは続けてこう言った。
「私のせいで、ひなたさんを巻き込んでしまったんです。……本当にごめんなさい!」
そう言って、エミリーちゃんは深く頭を下げた。
あたしはそんなエミリーちゃんを見て、困惑してしまう。
エミリーちゃんが何を言っているのか、さっぱり分からないから。
しかし、ここであたしが何も言わないままでは話が進まないと思ったので、とりあえずエミリーちゃんを宥めることにしてみた。
「エミリーちゃん、まず、落ち着いて。ね?」
優しく語りかけるように言ってみるが、それでもエミリーちゃんは俯いたまま顔を上げようとしない。それどころかますます体を縮こませてしまっているようにすら思えるほどだった。
(どうしよう……どうしたらいいんだろう?)
あたしは必死に考えるが、何も思い浮かばない。それでも何とかしなければと思い、エミリーちゃんをそっと抱き寄せてみた。
すると最初はビクッと体を強張らせていたものの、徐々に力が抜けていくのが分かったのでそのまましばらく抱きしめたままでいた。
「ゆっくりでいいから、全部話してくれないかな?」
あたしはポンポンとエミリーちゃんの背中を二回優しく叩き、エミリーちゃんの目を見て言った。
するとエミリーちゃんはコクリと小さく頷いた後でぽつりぽつりと話し始めた。
「ひなたさん、昨日、夢を見ませんでしたか?」
「え、あの……確かに、見たけど……」
いきなり夢のことを聞かれあたしは戸惑ってしまう。どうして今そんな話が出てくるのか分からなかったからだ。
「それは、どんな夢でしたか?」
「えっ?」
そう問いかけられて、あたしはなんて言うか迷った。夢の内容を正直に言えば、かなり恥ずかしいからだ。
「えっと……エミリーちゃんと一緒に遊んでたんだけど……途中で急に眠くなって寝ちゃったんだよね……」
なので、かなり簡略化して、オブラートに包んであたしは言った。
そんなあたしの答えを聞いて、エミリーちゃんは少し考え込んだ後、今度はこんなことを言ってきたのである。
「その遊びって、性的な遊びではありませんでしたか?」
「ふぇっ!?」
あまりに予想外な質問に、あたしは変な声が出てしまう。顔が熱くなるのを感じた。
そんなあたしの反応を見て確信を得たのだろう。エミリーちゃんは続けて言う。
「やはり、そうだったんですね……」
エミリーちゃんは決心したように、あたしを見つめて言った。
「ひなたさん、サキュバスのこと、どれだけ知っていますか?」
突然の質問にあたしは一瞬戸惑ったが、それでも何とか答えようと必死に頭を働かせる。しかし、何も思いつかなかった。
「あたし、そういう妖怪がいて、エッチなことをするというのは知っているけど、詳しくは何も……」
「そうですか、では、サキュバスについて少し説明しますね」
そう言って、エミリーちゃんはサキュバスについての説明を始めた。
最初にサキュバスというのは淫魔であること。
淫魔の中でも男性の姿を取るのもがインキュバス、女性の姿をとるものがサキュバスと呼ばれている。
では淫魔と何かというと、淫魔というのは、人間の性的な快楽を糧として生きる生物のことらしい。
淫魔は普通の食事だけでは飢えてしまう。ではどうやって生命を維持するかというと、淫魔に選ばれた人間の性的興奮や絶頂を感知し、そのエネルギーを吸い取ることで生きながらえている。つまり、性行為そのものが食事に該当するらしい。
食事のように性的興奮や絶頂によるエネルギーを摂取する必要がある淫魔は人と共に生きていくしかない妖怪のようで、そのため人間に擬態するのが上手いそうだ。
人間に擬態し、人間と共に生きる。その中には人間と結婚し子供を作る淫魔も少なくないのだという。
また淫魔は魔力により、性器をはやすことができ、インキュバスもサキュバスも一時的に男性器、女性器両方を持つことが出来るらしい。なので、インキュバスは女性から性的快楽を、サキュバスは男性から性的快楽を得るものが多いが、インキュバスが男性から、サキュバスが女性から性的快楽を得るものもそれなりの数がいて一概に男女によって性行為をするわけではないということも教えてもらった。
他にもいろいろと教えてもらったが、あたしはあまり理解できなかった。
ただ分かったのは、エミリーちゃんがここまで詳しく説明をするって言うことは、エミリーちゃんが本当にサキュバスで、人間ではないということだけだった。
ただ、わからないことがあった。
「エミリーちゃんがサキュバスなのはわかったけど、いままでは食事、どうしてたの?」
「私、昨日までは淫魔じゃなかったんです。昨日、少し小腹が空いたなあと思いながら寝たのですが、それが良くなったみたいで……」
あたしはエミリーの言っていることがわからず、首をかしげる。
「夢渡りしちゃったみたいなんです。無意識に」
「夢渡り?」
「淫魔の中には誰かの夢に入り込んで、夢の中で性的興奮や絶頂を味わえるように夢を操作できるものもいるんです。私、それが出来るみたいで。それでひなたさんの夢に入り込んでしまったみたいで……」
そう言って、エミリーちゃんは申し訳なさそうに俯いてしまう。あたしはと言えば、まさかそんなことができる妖怪が本当にいるなんて思いもよらなかったので驚いてしまっていた。でも……あれ? と言うことはつまり……
「えっと……、あたし、夢の中でエミリーちゃんとエッチしたってこと?」
そう思うと急に恥ずかしくなると同時に顔が熱くなっていくのが分かった。心臓がドキドキする。きっと顔も真っ赤になっていることだろう。
「はい……ひなたさんには申し訳ないことをしてしまいました。ひなたさんの処女を奪ったばかりか、刻印まで……本当にすみません!」
エミリーちゃんが頭を下げる。
あたしはエミリーちゃんの説明を聞きながら、思い出していた。夢の中で感じた痛みと絶頂感を……。
「よくわからないのだけど、夢の中なのに身体に影響あるのかい?」
「はい、影響します。私の力でひなたさんを発情させて刻印をつけたのですが……」
そう言われてあたしは改めて自分の身体を見る。特に変わったところはないと思うのだが……。身体を洗ったときにも特にそう言ったモノは見当たらなかったはずだ。
「刻印は淫紋とも呼ばれたりします。ひなたさんが性的興奮を得たり、私が操作したりすると、下腹部に浮かび上がるのです」
あたしは少しはしたないと思いつつ、スカートをまくり上げ、ショーツを引っ張り自分の下腹部をのぞき込んだ。
しかしそこにはいつも通りの自分の姿があるだけだった。どうやらまだ見えないみたいだが……いったいどういうものなんだろう? 疑問に思っているとエミリーちゃんは続けるように言った。
「その刻印は、私のものだと証明するためのものです。他の淫魔を寄せ付けない効果もありますが……」
「エミリーちゃん」
あたしは、エミリーちゃんの言葉を遮って言った。
「どうして、あたしなんだい?」
『その刻印は私のものだと証明するためのもの』
エミリーちゃんはそう言った。
それが、疑問だった。なんであたしなんかが選ばれたのか分からなかったのだ。
エミリーちゃんは少し考えた後で、真剣な表情であたしに告げた。
「……好き、だからです」
「えっ?」
「優しくて、頑張り屋さんなひなたさんが、好きなんです」
あたしは思わずドキッとする。そんな風に思ってくれていたなんて、全く気づかなかったから。
「ひなたさんは私に、すごく良くしてくれています。ひなたさんのとなりは、本当に陽だまりのように心地よくて……」
そう語るエミリーちゃんの表情は本当に幸せそうだった。しかし、すぐに表情を曇らせて俯いてしまうエミリーちゃんを見て、不安になる。
「先日、相合い傘で帰りましたよね?」
突然話題が変わったことに戸惑いながらも、あたしは素直に答えることにした。
相合い傘ってエミリーちゃんとあたしで一つの傘をさして帰ったあの日のことだろう。
「あの日、実は私、傘を持っていたんです。でも……相合い傘をしたのは、私がそうしたかったからです。ひなたさんと一緒の傘に入りたい、そう思ったんです」
そう言いながらエミリーちゃんはあたしの目をじっと見つめてきた。その目は真剣そのもので、思わず吸い込まれそうになるほどだった。
「二人で帰る穏やかな時間。優しく微笑むひなたさんの横顔を見たとき、私は実感したんです」
それから、エミリーちゃんはふぅーっと大きく息を吐くと、意を決したように再び話し出した。
「私は……、ひなたさんに恋していると」
「……」
あたしは何も言えなかった。突然告白された上に、告白してきたのは同性だったからだ。 どう反応すればいいのか分からず黙り込むあたしにエミリーちゃんは続けた。
「そして、それが原因だったんです。私が淫魔になったのは」
「えっと……、どういうこと?」
さっぱり意味が分からなかったあたしは、思わずそう聞いてしまった。
すると、エミリーちゃんは悲しそうな顔で言うのだ。
「私が淫魔になったのは、ひなたさんへの恋が理由なんです」
エミリーちゃんは、説明してくれた。
人間と淫魔の子供は、殆どの場合、人間として生まれてくる。
ただ、あることをきっかけに、淫魔に覚醒することがあるそうだ。
それが、恋愛感情を抱いたこと。そして、その人と性的関係を結びたいと強く願うことだそうだ。その強い感情がきっかけで、エミリーちゃんは淫魔に覚醒してしまったらしい。
淫魔に覚醒したエミリーちゃんは、強く想っていたことを無意識に実行した。
それがあの夢だったのだという。
覚醒した淫魔は、その思いを叶えるために行動するのだという。
つまり……エミリーちゃんはあたしとエッチなことがしたいと思って、無意識にあたしの夢の中に入り込み、その夢の中で、望み通りあたしを弄んだ。
最後に、そのまま感情のままにあたしに淫魔の刻印をつけたということだった。
目が覚めたとき、エミリーちゃん自身もそれは夢だと思っていて、ものすごいはしたない夢を見てしまった、そう思っていたそうなのだが、朝起きるとエミリーちゃんのお母さんが、突然淫魔の話を始め、エミリーちゃんのお母さんがサキュバスであること、エミリーちゃんは人間のサキュバスのハーフであること、そしてあたしに今話してくれたような、淫魔の話をしたそうだ。
それを聞いたエミリーちゃんはあたしにとんでもないことをしてしまったと、慌てて家にやってきたということらしい。
「本当にごめんなさい……。私、ひなたさんを傷物にしちゃって……」
エミリーちゃんは涙を浮かべながらあたしに向かって謝罪してきた。
あたしはというと、そんなエミリーちゃんになんて言ってあげればいいのか分からず、戸惑っていた。夢の中で起こったことなので、実感も薄かった。
なので、ひとまずエミリーちゃんを落ち着かせることにして、手を握って、エミリーちゃんが落ち着くの待った。
それからしばらくして、エミリーちゃんが落ち着いた頃を見計らって、あたしは言った。
「あのね、エミリーちゃん」
「はい……」
弱々しい声で返事をするエミリーちゃんの目を見て告げる。
「正直なところびっくりしたし、夢の中の出来事だったから、実感ないし、どうしたらいいか全然分からないんだけど」
エミリーちゃんの目が不安そうに揺れる。そんなエミリーちゃんを安心させるために、あたしは続ける。
「今回こんなことがあったけれど、でも、エミリーちゃんのことは嫌いじゃないよ。あたしね、友達としてエミリーちゃんのこと好きなんだぁ」
そう言った瞬間、エミリーちゃんは驚いた顔をしてあたしを見つめてきた。その表情を見てあたしは思わず笑ってしまう。
やっぱりエミリーちゃんは分かりやすい子だと思いながら……。
そんなあたしの様子を見て安心したのかエミリーちゃんも笑みを浮かべてくれる。
そして今度は落ち着いた様子であたしに聞いてきたのだ。
「その好きは、恋愛感情的な好きではないのですか?」
そんな質問に、あたしは少し考え込む。
よくわからない。というのが正直な感想だった。
そもそも恋愛なんて経験ないのだから、仕方ないだろう。
でも、これだけは言える気がしたので、エミリーちゃんへの気持ちを素直に伝えた。
「あたしにはそれが恋愛感情なのか親愛感情なのかはまだ分かんないけど……、エミリーちゃんといるとドキドキするし、嬉しくなるよ」
あたしの言葉に、エミリーちゃんは嬉しそうな笑顔を見せてくれた。その笑顔を見ているとあたしも幸せな気持ちになれるような気がした。
「それじゃあ、私とお付き合いしてくれますか?」
エミリーちゃんがおずおずと言った様子で聞いてきたので、あたしは少し悩んだ末に答えを口にする。
「さっきも言ったけど、あたしにはエミリーちゃんに対する気持ちが恋愛感情なのかはまだわからないべさ。だから、最終的に、エミリーちゃんにやっぱり恋愛感情ではなかったっていう結論を出して、傷つけちゃうかもしれない。けど……エミリーちゃんが、それでもいいって言うんなら……」
そんなあたしの返事にエミリーちゃんはとても嬉しそうな顔を見せた。
あたしもそんなエミリーちゃんの笑顔を見て、幸せな気持ちになる。
だから思ったのだ。さっきまで、これが恋愛感情かわからないって言った。
だけれども、あのエミリーちゃんの笑顔に幸せを感じられるあたしは、恋をしていると。 あたしは、今エミリーちゃんに恋をしているのだと……。
こうしてあたしはエミリーちゃんとお付き合いすることになったのである……。
「じゃあ、エミリーちゃんこれからよろしくね」
そう言いながらあたしが手を差し出すと、エミリーちゃんも嬉しそうに手を取ってくれる。あたしはその手を握りしめながら笑いかけると、エミリーちゃんも笑い返す。
あたしとエミリーちゃんの関係がいつも通りの関係に戻る――実際には、それより少し進んだ関係になった瞬間だった。
きゅるるるぅ
突然、お腹の鳴る音がエミリーちゃんから聞こえてきた。エミリーちゃんは顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに俯いてしまった。どうやら、お腹が減っているようだ。
「もう、お昼なんですね」
そう言いながらお腹を押さえるエミリーちゃん。そんな様子を見てあたしは思わず笑ってしまった。
エミリーちゃんがきて、内容が内容だけに、結構長い時間話し込んでいた。
「昼ご飯にするかい? 炒飯くらいなら、すぐ作れると思うけど……」
そう言って、冷凍庫をあけ、保存してあるお米の数を確認する。200gのお米が2個分。冷蔵庫を見ると、玉子8個、豚肉の細切れ1パック、長ネギなんかが入っていた。
「そうですね。ご飯にしたいと思うのですが、ひなたさんは大丈夫ですか?」
「え、もちろん大丈夫だよ。一緒にご飯、食べようね」
「ありがとうございます」
そう言った次の瞬間、エミリーちゃんの声が冷たくなった気がした。
「それじゃあ、ひなたさん、ベッドの上に新しい敷き布団を敷いて、その上に寝て下さい」
「え? お昼ご飯にするんじゃないのかい?」
驚いたあたしは、エミリーちゃんをじっと見つめようと思ったのだけれど、なぜか身体が勝手に動き、押し入れから、客用の敷き布団を取り出て、ベットの上に敷いた。
そして、あたしはその敷き布団の上に寝転んだ。
「え? なに、身体が勝手に!?」
「ひなたさんが、恋人なってくれて良かったです。無理矢理はしたくなかったですから。ひなたさん、それでは、下ごしらえを始めますね」
そう言いながら、エミリーちゃんがあたしの寝転んでいるベッドに腰掛け、あたしに向かって手を合わせてきた。
すると、あたしは急に身体が熱くなってきたのを感じ始めた。
身体の奥から何かが湧き上がってくるような、不思議な感覚だ。
そして、それと同時になぜかお腹の下の方がキュンキュンしてくるような感覚に襲われる。
その感覚に戸惑っているうちに、あたしはスカートとショーツを脱ぎ始める。
当然あたしはそんなことしたいとは思っていない。あたしの意思に反して身体が動いているのだ。
驚きのあまり声も出ない。ただただ、されるがままになっていることしかできなかった。
やがて下半身が裸になると、今度は上を脱ぎ始める。あたしの意図しないところで、あたしはベッドの上で全裸になっていた。
「全部に脱ぎ終わったら。万歳をして、そのままの姿勢で、止まってて下さい」
あたしはエミリーちゃんの命じるままに、万歳をした。そしてその姿勢のまま動けなくなった。
「エミリーちゃん、これは、どういうことだい?」
訳がわからず、エミリーちゃんに問いかける。
「ひなたさんは今、私の言葉に逆らえなくなっています。だから自分の意思に反して、身体が動いてしまうんです」
そう言いながらエミリーちゃんは、あたしの腋の下に手を当てると。そのまま人差し指を爪先でなぞる様にして、脇のラインをなぞるように動かしてきた。ゾワゾワッとした感覚に襲われ思わず身悶えしてしまうが、それでも身体は動いてくれないのだ。
「これが刻印の効果なんですよ。淫魔に刻印をつけられた人間は、淫魔の力ある言葉に逆らえなくなるんです」
そう言いながらエミリーちゃんは、指でなぞる様にして腋の下をくすぐってきた。こそばゆい刺激に身体が震えてしまうが、それでもあたしは動けずにいる。
「それじゃあ、下ごしらえをしましょうか」
そう言いながらエミリーちゃんはあたしの後ろに回り込むと、お腹を優しく撫でてくる。 その手つきはとても優しいものだったのだが、その刺激だけでお腹の下の方がきゅんとして、切なくなってしまうのだ。
「もう少し待って下さいね。ひなたさん」
そう言いながら、エミリーちゃんはあたしの下腹部を撫で続ける。
優しくゆっくりとした手つきに、思わず身悶えしてしまう。
そんなあたしを愛おしそうに見つめながら、エミリーちゃんは言った。
「淫紋を活性化させるので、少しつらいかもしれませんが、頑張って下さいね」
そう言うとエミリーちゃんはあたしの下腹部に手を当て少し力を込めた。
するとお腹の奥底から何か熱いものが湧き出してくるような感覚に襲われる。
「淫紋が活性化します。我慢しなくていいですからね」
何が起こるかわからず、あたしは身構える。すぐに、あたしの身に何が起こっているのかわかった。下腹部に文様が浮かび上がり、下腹部の熱がどんどん強くなっていくのがわかった。
身体の奥がどんどん熱くなり、呼吸が荒くなっていく。そして同時にお腹の下の方から何かが込み上がってくるような感じがした。それを必死に我慢しようとするのだが上手くいかない……。
思わず内股になり足をモジモジさせてしまう。
その間にも下腹部の熱さは増していくばかりで、あたしはもう限界寸前だった……。
そんなあたしの様子を嬉しそうに見ながら、エミリーちゃんは言う。
「ひなたさん。すごく美味しいそうです。でも、もっとも〜っと、美味しくなって下さいね」
そんなエミリーちゃんの声を聞いた瞬間、身体中に電流が流れたような感覚に襲われた。そしてそれと同時に、今までとは比べ物にならないくらいの快楽があたしを襲う……。
あたしはその快楽に耐えられず、身体を仰け反らせてしまうのだった。しかし、それでもなお、身体の奥底から湧き上がってくるような快感は止まることを知らないようで、むしろ激しさを増すばかりだった……。
「ああぁ……んんぅ……」
あまりの快感に頭が真っ白になる……。何も考えられなくなりそうな程の強烈な感覚だ。そんなあたしの姿を見てエミリーちゃんが嬉しそうに微笑んでいるのがわかる。
「どうですかひなたさん? 淫魔の刻印は気持ちいいですよね?」
そう言いながらエミリーちゃんは下腹部を撫で続ける……。その刺激だけで、腰が砕けそうになってしまうほど気持ちが良いのだ……。
ビクビクと身体が痙攣するかのように震えてしまい、足に力が入らなくなってしまう。それでもなお必死に耐えようとするあたしを見たエミリーちゃんは更に笑みを深めるのであった……。
そして遂にその時が来てしまう……。下腹部に刻まれた刻印が強く輝き出したのだ。それと同時にお腹の奥から何か熱いものが込み上げてくる感覚に襲われる。
それはまるでマグマのように熱くドロドロとしたものであり、今にも溢れ出してしまいそうだ……。それを解放しようとするあたしを見て、エミリーちゃんが言った。
「まだいっちゃだめですよ。もう少し煮込まれて下さい」
エミリーちゃんがそう言うと、あたしに刻まれた淫紋が淡いピンク色を一瞬はなった。すると、あたしのお腹に刻まれた刻印が強く輝き出し、それと同時にお腹の奥がきゅとなる感覚に襲われた。
今にも溢れ出してしまいそうだったマグマのように熱くドロドロとしたものは、蓋をされたようにあたしの中に閉じ込められた。
その感覚に思わず身悶えしてしまう……。エミリーちゃんが何をしたのかわからないけれど、きっとこの刻印のせいなのだろうということは理解できる。だけど今のあたしにはどうすることもできなかった。
そんなあたしの姿を嬉しそうに見つめながらエミリーちゃんは言う。
「ひなたさん、自分で弄ってください」
今までバンザイの姿勢で固まっていた両手が その言葉を聞いて、自分の胸を触る。
すると、今まで感じたことのないような快感が身体中を駆け巡り、思わず声が出てしまう。
しかし、それでもあたしは胸を揉むのをやめなかった。それどころか、どんどん強くなっていく快楽に、あたしの理性は完全に失われていた……。
胸を揉んでいた右手は気がつくと下腹部に降りていて、いつのまにかものすごい勢いでクリトリスの上を上下していた。左手は右のおっぱいを 弄り倒していて、その度にビクビクと身体が震えてしまう……。
そして、快感が大きければ大きいほど、下腹部に刻まれた淫紋はピンク色に強く輝くのだ。
もはや自分の身体が自分のものではないような錯覚に陥るほどの強い快楽があたしを襲う。
しかし、どれだけ自分の身体を弄っても、頂には届かなかった。先ほどからお腹の奥で、何か熱いものがぐるぐると渦巻いているような感覚が続いているのだ。
既に、解放されないといけないくらいの刺激を与えているのに、その先に進めない。
あとちょっとで手が届きそうなのに、届かないという焦燥感と切なさがあたしの心を締め付ける。
放たれない快楽の蓋を少しでもこじ開けようとするために、あたしは左手でクリトリスを弄り、右手は膣の中に2本、指が埋まっていた。
だけれども、両手をどれだけ動かしても、頂きに辿りつくことはなかった。
「いけない、いけないよぉ、エミリーちゃん」
そう言いながら、あたしは切なげな瞳でエミリーちゃんを見る。まるで子犬が飼い主に甘えるような眼差しで……。
「いきたいですか? ひなたさん」
そんなあたしを愛おしそうに見つめながらエミリーちゃんは言う。
「いきたい、いきたいよぅ」
あたしはもう何も考えられなかった。こくこくと首を振りながら、ただひたすらに快楽を求めていたのだ。
「それじゃあ、私も準備しますね」
そう言って、エミリーちゃんは自身の下腹部を手で押さえると、何か呪文が唱えた。
すると、次の瞬間には、エミリーちゃんの下腹部に男性器が生えていた。
「ひなたさん、私のおち○ぽしゃぶって下さい」
そして、あたしは言われるがまま、大きく固くなったそれに口に含んだ。
ビクビクと脈打つそれはとても大きく、口に含むだけでも大変なほどだった。
しかし、それでもなおあたしはそれをしゃぶり続けた。その味は、とても苦くてしょっぱかったけれど、不思議と嫌な気分ではなかった。
むしろもっと味わいたいと思うほどだ。 夢中でしゃぶっているうちにどんどん興奮が高まっていくのを感じた。
そして……。
「ひなたさん。もう我慢できません。このまま行きますよ」
そう言いながら、エミリーちゃんはそれを口の中から抜き取ると、あたしの中に挿入してきたのだった……。
ぬぷりと固くて柔らかいモノが、あたしの中に侵入してくる。
その瞬間、今まで、溜まりに溜まっていた快楽が放出される。
頭が真っ白になるような快楽とともに、身体の奥深くから、何か熱いものが流れ出していく感覚に襲われる。
「あぁ。ひなたさん、美味しいです」
恍惚な声をエミリーちゃんがあげ、さらに腰を動かし始める。
「あぁ、だめっ! いまうごかしたら」
「ごめんなさい、ひなたさん、もう我慢できません。もっと欲しいです」
そう言いながらエミリーちゃんは腰を動かし続ける。その度にあたしの中で何か熱いものが流れ出していくような感覚に襲われる。そして、それと同時に、今まで経験したことのないような強い快楽に襲われる。
何も考えられなくなってしまうほどの強烈な刺激に、あたしはただただ喘ぐことしかできなかった。
「ああん、だめぇえ」
「ひなたさん、私のおち○ぽ美味しいですか? もっと味わって下さいね」
そう言いながら、エミリーちゃんは更に激しく腰を打ち付けてくる。
その度にあたしは何度も絶頂を迎えてしまっていた……。しかしそれでもなお、エミリーちゃんの攻めは止まらない、むしろ激しさを増す一方だ。
「ああん! もうダメっ! またイっちゃう!」
「いいですよ、何度でもイってください」
そう言うと、エミリーちゃんはますます強く腰を打ち付けてくる。
「ああん、あああぁ!! イってる、イってるから、らめぇ」
そんなあたしの声を無視して、エミリーちゃんはさらに激しく動く。
エミリーちゃんに突かれる度に、快楽が波のように押し寄せてきて、意識が飛びそうになる。
「ひなたさん、美味しいです」
そう言いながら、エミリーちゃんはさらに激しく動くのだった……。
あたしは限界を迎えようとしていた……。
「もう、だめえぇ! また、いくぅう!」
頭が真っ白になり、何も考えられなくなるほどの激しい快楽の波に、あたしの心は限界を迎えようとしていた……。
しかし、それでもなお、エミリーちゃんは動くことをやめてくれなかった。
エミリーちゃんの男性器は、未だに硬く反り返っており、その硬さを保ったままあたしの中を激しく突いてくるのだ。
あたしはその快楽に耐えることができず、ただただ喘ぎ続けることしかできなかった……。
エミリーちゃんは休むことなくあたしを犯し続けてくる。
そして、その度にあたしのお腹の中でぐるぐると渦巻いていた何かが、爆発するように放出される。
蓋をされて閉じ込められていた快楽が、エミリーちゃんが動くたびに弾けていった。
「イクぅ、イっちゃう、もうイきたくないよぉ」
あたしの言葉は、エミリーちゃんには届かなかった。
「ひなたさん! 私もイきます!」
そう言って、エミリーちゃんさらに激しく腰を動かし始めた。
その動きに合わせてあたしの身体も大きく跳ね上がる……
そして、ついにその時が来た。
エミリーちゃんの男性器が大きく膨らみ、あたしのお腹の中で弾けたのだ……。ドクンドクンと脈打つたびに熱いものが注がれていくのがわかる……。
その感覚はとても気持ちよく、頭の中が真っ白になってしまうほどだった。
その感覚に、あたしは完全に蕩けきってしまった……。
「ひなたさん! 最高です!」
エミリーちゃんの声を聞きながら、あたしの意識は遠くなっていた。
しかし。それでもなお、エミリーちゃんはあたしのお腹の中に熱いものを注ぎ込んでくる。
しばらくした後、エミリーちゃんがようやく満足したようで、解放してくれた。
あたしはといえば、すっかりぐったりとしてしまい、動く気力も残っていなかった……。
そんなあたしを愛おしそうな目で見ながらエミリーちゃんは言うのだった。
――ごちそうさまでしたと。
こうして、エミリーちゃんの初めての実食は終わったのだった……。
エミリーちゃんから解放されたあたしはベッドの上でぐったりしていた。お腹が重いし動くのもしんどいほどだった……。
そんなあたしを愛おしそうに見つめながらエミリーちゃんが言う。
――ひなたさん、とっても美味しかったです。と。
もうなんと答えていいかわからず、黙ってしまうあたしに、
「また食べさせてくださいね」
と言って、頭を撫でてくれたのだった。
それが、なんだかとても心地よくて幸せな気持ちになれた。
こうして、エミリーちゃんによる初めての実食が終わったわけだけれど、あたしはまだ知らなかったのだ。
この後もまた同じような事が何度も繰り返されることを……。
だって、こうした行為はエミリーちゃんにとってはご飯を食べることで、あたしはエミリーちゃんに選ばれた人間なのだから。
FIN
あとがき
ひなたの誕生日に合わせて、ひなエミのお話を1本。
ひなエミの組み合わせで、おもちゃとかそういうのを使うには年齢や性格を考えると、なかなか難しい。だったら、ファンタジーにしてしまえばいろいろなものをこの組み合わせで出すことができるじゃないかとおもって考えたお話です。
またこの設定でなにか書きたいなとは思っています。