今日は早く帰りたかった。
 いつも頑張っていないわけではないけど、特に今日は1回で終われるように、細心の注意を払った。
 ひなたさんが長期撮影旅行から帰ってくる。
 空港まで迎えに行く約束をしていたのだけれど、仕事の関係で空港には行けなくなってしまった。
 結局、数回の電子伝言のやり取りの後、ひなたさんの家の最寄り駅で会うことになった。
 撮影旅行で疲れているひなたさんに駅まで出てきてもらうのは少し悪いなとは思ったのだけど、少しでも早く会いたいという気持ちが、零れてしまった。
 仕事は無事に1回で終わらすことができた。
 ひなたさんに会いたくて、急いでひなたさんの待つ場所に向かう。
 待ち合わせ場所は駅前の広場。待ち合わせ時間より1時間も前だ。
 だから、ひなたさんは来ていないだろう。そう思っていたのだけど、既にひなたさんはそこにいた。

 長椅子に座りながら、何やら一生懸命携帯電話を操作している。
 何をしているのか気になったものの、声をかける前に私はひなたさんに近づいていった。
 すると突然、ひなたさんが携帯から顔を上げ、私のほうを向く。
 そして満面の笑みを浮かべてこう言った。
「ただいま、エミリーちゃん」
 その言葉を聞いて、私も自然と笑顔になる。
「おかえりなさい。ひなたさん!」
 私は自分の胸の前で小さく手を振った。
 ひなたさんもそれに気づいて手を振り返す。
 しばらくお互いにそうやってじゃれ合っていたけれど、やがて我慢できなくなった私は思いっきりひなたさんを抱きしめる。
「……おかえりなさい。ひなたさん」
「ただいま、エミリーちゃん」
 ぎゅっと抱きしめると、ひなたさんはちょっと驚いた様子だったけれど、すぐに優しく抱き返してくれた。


 それから私たちは、一緒に近くの喫茶店に入って話をすることにした。
 お店の中に入ると、珈琲の良い香りが漂ってくる。
 店員さんに案内された席に、向かい合って座る私たち。
 向かい合ったひなたさんの顔を改めて見ると、やっぱり綺麗だなって思った。
 ……って、いけない。あまり見つめすぎていたら変に思われてしまう。
 そう思って視線を外すと、ちょうどこちらを見上げてくるひなたさんと目が合う。
 私が照れて目を逸らすと、ひなたさんは悪戯っぽい表情を浮かべた。
 そんなやりとりの後、私は注文した紅茶を飲みつつ、先ほどから気になっていたことを尋ねることにした。
 それは、長椅子でずっと弄っていた携帯電話についてである。ひなたさんが熱心に携帯電話を弄っていることが少ないから、すごく気になったのだ。
「長椅子では、何を見ていたんですか?」
 それを尋ねると、ひなたさんはすぐに答えてくれた。
 どうやら他の人の『つぶやき』をいろいろ眺めていて、その中に流れてきた写真を見ていたらしい。
 写真には仲睦まじい男女二人組の姿があった。
 恋人同士なのか、あるいは夫婦か……どちらにせよ微笑ましい光景である。
「この写真を見てたらね。エミリーちゃんに早く会いたくなっちゃって」
 そう言って笑うひなたさんを見て、思わずドキッとする。
 恋人同士になってすぐのひなたさんは、私に対して、自分の想いを遠回しに伝えて来ることの方が多かった。
 でも、接吻を交わしたり、身体を重ねたりするようになったら、自分の想いを強く伝えてくるようになった。
 それは、自分の想いをどんな風に伝えても、私がしっかりと受け止めると信じてくれている。そういった私への信頼なんだと思う。
 だからこそ、その言葉はひなたさんが誰かを褒めるのと同じように、ものすごくまっすぐで。ときに、心の中にぶすりと刺さる。
 不意に投げかけられたその言葉は、とても嬉しくて。それが故に、恥ずかしさが急に湧き上がってきて、私は何も言えなくなってしまった。
 ひなたさんはその沈黙をちゃんと肯定の意味だと受け取ってくれて、とても嬉しそうな顔で話を続けた。
「あたしもね。エミリーちゃんに会えると思うと、いても立っても居られなくて、それで早く駅に着いちゃったんだべさ」
「ひなたさん……」
「だからエミリーちゃんに早く会いたかったのは、あたしも同じだよ。こんなに長い期間顔を合わせないことはなかったからねぇ」
 1ヶ月もの長期撮影旅行は初めてだった。伝言機能を使った会話はそれなりにしていたけれど、電話でさえ殆どしていなかった。
「そうですね……。私も寂しかったです」
 ひなたさんは私のその言葉を聞いて柔らかく微笑んだ。
「今日は、泊まっていけるんだよね?」
「はい! そのつもりです!」
「それなら今夜は、久しぶりにいっぱいお話ししようねぇ」
「はい!」
 気がつけばあっという間に時間が過ぎていて、なので私たちは会計を済ませて外に出ることにした。
 外は既に暗くなり始めている。
 晩御飯のための買い物を駅前の食料品店で済ました後、ひなたさんと一緒に家に向かう。
 ひなたさんの家に着くまでの間、私はずっとひなたさんの手に自分の手を重ね続けていた。
 ……別に何か理由があるわけじゃない。
 ただそうしたくなっただけなのだけど、ひなたさんは何も言わずに受け入れてくれている。
 だから、私もそのままにしておいた。
 やがて家に到着し、玄関前で立ち止まる私たち。
 ひなたさんは鞄の中から鍵を取り出すと、家の扉を開けるために鍵穴に差し込んだ。
 かちゃりと、錠前が小気味良いを鳴らし、私たちは部屋の中に入る。
「ただいまぁ」
 部屋に入ったひなたさんは、いつものように元気よく挨拶をした。
「ただいま戻りました」
 ひなたさんのお家は、私にとって、もう一つの帰るべき家になっている。
 ひなたさんはすぐにパタパタと室内履きの音を立てて、洗面所のほうへ向かう。
 私もすぐに後を追いかける。
 お互いに手洗いとうがいがすんだところで、私はひなたさんに勢い良く抱きしめられた。
 私はそれを受け止める。
 お互いの顔が見える距離まで離れたところで、私たちは見つめ合う。
 そしてどちらからともなく唇を重ねた。最初は軽く触れ合うような口づけを何度か繰り返し、やがて深く求め合うように舌を絡ませる。
 しばらくそうやって互いを感じ合った後、ゆっくりと顔を離した。
 まだ足りないとは思うけれど、これ以上続けると止まらなくなってしまう。それはそれで悪くはないのかもしれないけれど、せっかくだからそういうこともゆっくり楽しみたい。
 名残惜しいけれど、そろそろ終わりにしなければならないだろう。
 そう思って離れようとしたとき、突然私の体がぐいっと引っ張られる。
 そして、そのまま再び強く抱きしめられてしまった。
 驚いている私をよそに、ひなたさんはそのままの姿勢でぽつりと呟く。
「ごめんねぇ。もうちょっこし、このままでいいかい?」
 そんなことを言われてしまえば、もちろん断ることはできなかった。
 私は何も言わずに、ひなたさんをぎゅっと抱きしめ返した。
「ありがとうねぇ」
 ひなたさんは小さくそう呟いた。
 それからしばらくの間、私たちの間に会話はなかった。
 それでも居心地が悪いわけではなく、むしろずっとこうしていたいと思えるほどに幸せだった。
 私たちはかなりの長い時間、お互いの息遣いと体温を感じていた。

 お互い逢えなかった寂しさを少しばかり解消したところで、私たちは夕食の準備に取り掛かることにした。
 準備といっても簡単なものばかりだけれど。
 今日の献立は珈哩ご飯である。
 私がお米を研いで炊飯器に準備している間に、ひなたさんは人参や馬鈴薯などの具材を切り分ける。
 ひなたさんが具材を切っている間に、鍋に軽く油を敷き、人参や馬鈴薯などの固い具材を鍋に放り込んで炒めていく。
 お皿に玉ねぎを避けておき、その後に豚肉を入れる。豚肉に火が通ったら、ひなたさんが薬缶から鍋に水を入れていく。
 沸騰したら、灰汁を軽く取った後、その中に切り分けた玉ねぎと市販の珈哩固形調味料をお鍋に放り込む。
 固形調味料は別々の焼き印の甘口を1個ずつ購入して、規定量の半分ずつ入れて使う。
 二つの固形調味料が両方とも溶けて、しっかりとお鍋が珈哩色になったのを確認して、ひなたさんは火を緩めた。後はじっくり煮込めば完成する。
 私はひなたさんの横に並んで、一緒にその様子を見守る。
「エミリーちゃん、あとは煮込むだけだから、座っててもいいよぉ」
 私はその言葉にゆるゆると首を横に振った。
 こうして見ているだけでも楽しいし、それに何より一緒にいることが安心する。
 隣にいるひなたさんを感じながら、私はそんなことを考えていた。
 ひなたさんはそんな私を見て、柔らかく微笑むと、視線を珈哩に戻し、ゆっくりとお玉で珈哩をかき回した。
 しばらくして、給湯器から追複曲の旋律が聞こえてくる。
 お風呂が沸いたようだった。
「エミリーちゃん。お風呂入って来ちゃって。二人ともお風呂から出たら、晩御飯にしようね」
「はい、それじゃあ、お先に失礼しますね」
「はーい。ごゆっくり」
 お風呂は大体、私のほうが先に入るようにしている、最初のころは譲りあって循環してしまっていた。それも懐かしい思い出だ。
 お風呂でそういうことがしたいときには、ひなたさんが先に入り、あとで私が追うようにお風呂に行く。なんとなく、そんな風な決まりになっていた。
 ひなたさんに見送られながら、私は脱衣所に向かった。
 服を脱いで浴室に入ると、給湯器の告知通り、湯船にお湯が張られていた。
 私は手早く身体をお湯で流し、湯船に浸かる。少し熱めのお湯がじんわりと体に沁みる。
「ふぅ……」
 思わずため息が出てしまう。もちろんこのため息には何の悲しみも不満も混入していない。
 しばらくそのままぼおっとしていたけれど、ある程度の時間が過ぎたところで私は湯船から出て、散水浴器を手に取った。
 それから蛇口を開き、頭上から降り注ぐ温かい雨に身体を晒す。
 髪を濡らさないよう気をつけながら、全身にお湯を行き渡らせる。
 それから、海綿に液体石鹸を垂らし泡立てる。
 今日はきっと『夜』がある。私はそれを確信していた。そしてそれは私の望みでもあった。
 だから私は丁寧に、身体を洗っていく。
「あっ……んっ……」
 秘所を洗っている最中に陰核に指が触れてしまい、声が出てしまって慌てて手で押さえる。
 最近はよく与えられる刺激になってしまったけれど、やはりこの感覚にはなかなか慣れない。
 最初はひなたさんに触られるたびに、身体が反応していたけれど、今ではこんな風に自分で弄っても気持ちよく感じることができるようになった。
 ひなたさんが長期撮影旅行に行ってから、自分で慰めたのはあの時の1回だけだ。同時にその後に引き起こしてしまった、失態も思い出す。
 ひなたさんが今まで、その話題を口にしていないということから、ひなたさんはあのことを忘れてしまっているのだと思うことにした。
 その場所は少し濡れていた。抱きしめられたり、接吻を交わしたりしたからだろう。散水浴器で秘所と陰核を丁寧に洗う。
「んっ……」
 散水浴器の水流と、その場所を綺麗にするための指が、必要のない快感を伝えてくる。
 伝わってくる快感とそのせいで漏れそうになる声を何とかごまかしながら、この後の来るであろう『夜』に備える。
「ふぅ……」
 と一息ついた後、散水浴器の水流を強めにして、全身の泡を流した。
 そして、最後にもう一度だけ大きく深呼吸をして、私は浴室を出た。
 居間に戻ると、珈哩のいい匂いが漂っている。
「ひなたさん、あがりました」
「おかえりなさい。エミリーちゃん。ゆっくりできた?」
「はい。おかげさまで。いいお湯でしたよ」
「それはよかったよ。じゃあ、あたしもお風呂もらっちゃうね」
「はい。ごゆっくりどうぞ」
 ひなたさんは、着替えを持ってお風呂場に入っていった。
 待っている間、私はひなたさんの代わりに珈哩鍋をゆっくりゆっくり、かき回す。
 しばらくして、ピーッという電子音が鳴る。
 ご飯が炊き上がったようだ。ご飯が炊けていなかったという珈哩にありがちな失敗することも、今日はないようだ。
 しゃもじを手に取り、炊飯器のご飯をかき回す。水加減を間違えたということもなくお米の固さも適切で、ご飯の匂いが私の鼻孔をくすぐる。
 そしてぐつぐつと音を立てる鍋からは。珈哩のいい匂いが漂ってきて、食欲が刺激される。
「お腹が空いてきました」
 今日はきっと、美味しい夕食になるだろう。
 私はひなたさんがお風呂から出てくるまで、焦げないように珈哩鍋をかき回し続けた。


 ひなたさんがお風呂から上がって、すぐに夕食の準備に取り掛かる。
 まず私がお皿を用意して、そこにご飯を盛り付ける。ひなたさんがその上に珈哩をかけて、新しいものと交換する。
 ひなたさんが新しいお皿を盛り付けている間に、盛り付けが終わったものを私が食卓に持って行った。
 すぐに、盛り付けが終わった二皿目の珈哩をひなたさんが食卓に持ってくる。
 私はひなたさんがお風呂に入っている間に作った撒拉托を冷蔵庫から出して食卓に並べる。
 ひなたさんが食料品店で買っておいた、飲み物を取り出し、2つの湯飲みを食卓に置いた。
「いただきます」
「いただきます」
 手を合わせて、いただきますをして食べ始める。
 二人で作った珈哩はなかなか美味しくできていて、思わず笑みを浮かべてしまう。

   ひなたさんも、美味しいと笑顔になっている。
 食事中はあまり話をしない私たちだけれど、今日はなんとなく話が弾んでいた。
 ひなたさんは今回の長期撮影旅行の出来事をいろいろ教えてくれたし、私はひなたさんがいない間の仕事の話をしていた。
 そうやって話をしながら食事をしていると、あっと言う間に終わってしまい、私たちはすぐに片づけを始める。
 といっても、調理とお風呂の間に洗い物はほぼ済んでいて、食べ終わった食器を洗うくらいしかすることは無いのだけれど。
 一通り家事を終えてから、私たちは居間でゆったりとくつろいでいた。
 寝台に寄り掛かったひなたさんに、私は膝枕してもらっていた。
 いつもなら恥ずかしくて、あまりこういうことは頼まないのだけど、今日はどうしてもこうしたかった。
 そしてそれを察してくれたひなたさんは、何も言わずに受け入れてくれていた。
 そのことにほっとして、私はそっと目を閉じてひなたさんのお腹に顔を埋める。お腹からは石鹸の花のような香りが漂ってきた。
 そうやって、ひなたさんを満喫していると、ひなたさんが優しく頭を撫でてくれるので、それが気持ちよくて、とても幸せな気分になった。
「ねえ、エミリーちゃん」
「はい、なんですか? ひなたさん」
 ひなたさんのお腹に埋めた顔を戻し、上を向く。
 ひなたさんが、少し心配そうに私の顔をのぞき込む。
「あのね。ちょっこし、お願いがあるんだけど」
「はい、なんでしょうか?」
「明日、エミリーちゃんはお仕事お休みだよね?」
「そうですね」
「だったら、一緒にどこか出かけないかい?」
「私は大丈夫ですけど、劇場に顔を出さなくても大丈夫ですか?」
明日は日曜日だから、出かけることは問題ない。私は問題ないのだけれど、ひなたさんは長期に劇場を空けていたから、明日は多分一緒に劇場に行くことになるだろうなと内心思っていたのだ。
「最近すごく忙しかったから、少しゆっくり欲しいって、プロデューサーに言われていてね。あたし、3日間お休みなんだぁ。明後日か明々後日には、劇場のみんなにもお土産も渡したいし、行くつもりだけど、明日はエミリーちゃんと一日過ごしたいなぁって。エミリーちゃんは、何か用事入ってるかい?」
「いえ、明日はなにも入ってないです」
 長期撮影旅行から帰ってきたひなたさんとゆっくり過ごしたいと思っていたから、今日と明日の予定は空けておいた。
 今日は、緊急でお仕事が入ってしまって、思った通りにはいかなかったけれども。
 ひなたさんも同じように思っていてくれることが嬉しい。
「良かった。じゃあ、どこに行こうか。何かしたいこととかある?」
「うーん。特にこれといっては……」
「そうだねぇ。じゃあ、動物園とかはどうだろうか?」
「はい! 行きたいです。動物園」
「じゃあ決まりだね。9時半に開園みたいだから、明日の朝9時ごろに出発しようかねぇ」
 事前に調べておいてくれたのか、ひなたさんは動物園の開園時間をすでに把握していた。
 ひなたさんの言葉を曲げる理由はどこにもなかった。
「わかりました」
 私たちはお互いに微笑みあった。
 その瞬間、『夜』が訪れたのを感じた。それはひなたさんも同じだったようだ。

 しばらく見つめあった後、ひなたさんはゆっくりと顔を近づけて、口づけをしてきた。
「ん……」
 最初は唇を合わせるだけの軽いものだったけれど、だんだん深くなっていき、舌を絡め合う。
「んっ……ふぅ……ちゅぱ……はむ……れろ……じゅる……はふ……ふぅ……ふぅ……はふぅ……」
 そうやって何度もお互いを求め合い、気が済むまで口づけを交わし合った。
 そうやってたっぷりと愛情を確かめ合う。
「エミリーちゃん……」
 ひなたさんに促されて、寝台に腰掛けると、ひなたさんが寝衣を脱ぎ始めた。
 それを見て、私も自分の寝衣に手をかける。
 下着姿になったところで、ひなたさんが抱きついてきて、そのまま押し倒される。
 ひなたさんはそのまま私の上に覆いかぶさると、再び私に口づけをした。
 私の舌とひなたさんの舌が絡み合い、唾液を交換する。ひなたさんの舌が口腔内を暴れ回る。
 息継ぎのために口を離すと、唾液が糸を引いて、ひなたさんの口元に垂れ落ちた。
 ひなたさんはそれを舐め取ると、今度は首筋に吸い付いてくる。
「あっ! んんっ!」
 くすぐったいような気持ちいいような感覚に身をよじる。
 チュッという音を立ててひなたさんが離れていく。
「あぁ……」
 寂しさを感じていると、今度は胸に吸い付かれた。
「ひゃう!? あああっ!!」
 片方の胸を口に含みながら、もう片方の手で揉まれる。
 胸を触られると、もうすっかり敏感になってしまったそこは、それだけで快感を伝えてきて、私は身を捩らせる。
「あんっ!! やっ……だめぇ。……そんなに強く吸っちゃダメですぅ……」
 乳首を甘噛みされたり、軽く引っ張られたりしながら愛撫される。
 ひなたさんは、そんな私の反応を楽しむかのように、執拗にそこを攻め立てる。
 片方の手で乳房を揉みしだき、もう片方の手は脇腹や背中をさすってくる。
 乳首への攻撃もやまず、舌先で転がしたり歯でしごいたりして責めてくる。
 私は声を抑えようと必死になっていたけど、それでも我慢しきれず漏れ出してしまう。
「んっ……ふっ……んっ……あっ」
 気がつくと、下着の中に手を入れられ、割れ目をゆっくりと撫で回されていた。
 ひなたさんの手はぬめりを帯びており、私の秘所が既にかなりの湿り気を帯びているのを実感する。
 ひなたさんが指先が私の割れ目を何往復かすると、割れ目の頂点で停止し、そこにある突起を撫で回す。
「ひゃん! ……ああぁんっ!!!」
 陰核への刺激で身体中に電流が流れたかのような衝撃を受け、ビクンっと跳ねてしまう。
 ひなたさんは陰核を集中的に攻め始める。
 2本の指で摘んでグリグリしたり、上下左右に弾いてみたり、円を描くようにクルリとなぞったりと様々な方法で弄ぶ。
 指先で陰核を転がすようにして弄ばれると、たちまち私は絶頂を迎えそうになる。
「ああっ!! んんーっ! はぅっ!」
 でも、まだイキたくない。もっとひなたさんを感じていたい。
 私はそう思って、陰核を弄んでいるひなたさんの手を握る。
 ひなたさんは私の意思を感じてくれたのか、弄んでいた手を止める。
 そして、すぐに私の下着を取り去り、両足を大きく開かせると、その間に割って入るようにして座った。
 そしてゆっくりと顔を近づけて、私の割れ目に舌を這わせ始める。
 肉襞の間をなぞるように、丁寧に、丹念に舐められていく。時折、陰核をつつかれたりもする。
 その度に私は小さく喘いでしまう。
「んっ……ちゅぷ……ぺろ……れろぉ……ぴちゃ……くちゅ……じゅぶ……れろれろ……ちゅぱ……ずぞぞぞっ……じゅるるっ……」
 ひなたさんの舌使いが激しくなっていく
 そうしているうちに、ひなたさんの舌が膣内に侵入してきた。
 中で蠢くその感覚に、私は身悶える。
「あっ……だめぇ……そんなにされたら……イッちゃいます……もう限界ですぅ……」
 そう訴えると、ひなたさんはとどめとばかりに思い切り強く陰核に吸い付いた。
「あっ……イクッ……んんん〜っ!!!」
 ビクンっと身体が跳ね、ガクンガクンと痙攣するように震えながら、私は盛大に達してしまった。
「あっ……ああっ……」
 頭が真っ白になるくらい気持ちよかった
 はぁはぁと息を切らして、快楽の衝撃を逃がしていたのだけど、ひなたさんは私を休ませたくないのか、そのままちろちろと陰核を舐め続ける。
「ひゃうっ! あっ……だめぇ……今はまだ敏感だからぁ……んんっ! あっあっあっ!」
 ひなたさんが舐めるたびに、私の口からは甘い吐息が漏れ出してしまう。
「んっ……ちゅぱっ……じゅるっ……」
「んんっ!! ああっ! ひなたさんっ! またイっちゃいます! んんっ! んんーっ!!!」
 再び絶頂を迎える私を見て満足したのか、ようやくひなたさんは口を離してくれた。
 ほっとしたのもつかの間、ひなたさんは、すでにひなたさんの唾液と私の愛液でぐちゃぐちゃになった秘所に二本の指を差し込む。
「あっ! んんっ! ゆびぃ……」
 ひなたさんの細くて綺麗な指先が膣内をかき回してくる。
「エミリーちゃんの中、凄く熱いよ。ほら、聞こえる?」
 グチュッ、グチャッという音が、部屋中に響き渡る。
 そう言いながら、ひなたさんは指を動かす速度を上げていく。
「あんっ! やぁっ! 音立てないでぇ……」
「えっちな子だねぇ。こんなに濡らしちゃって」
 私はそのひなたさんの意地悪な言葉に返す余裕もなかった。
 そのまま激しく出し入れされて、同時に親指で陰核をぐりっと押し込まれた瞬間、私は盛大に潮を噴き出して達してしまった。
「ひぅっ! あああっ!! ああああぁぁっ!!!」
 ビクビクと全身を震わせる私から、ひなたさんはそっと指を引き抜いた。
「ふわっ……」
 引き抜かれる時ですら感じてしまい、声が漏れてしまう。
 ひなたさんは引き抜いた指をまじまじと見つめた後、指先に絡みついた私の愛液をペロリと舐めた。
 恥ずかしくて目を背けると、ひなたさんが耳元で囁いた。
「いっぱい出たねぇ」
「言わないでください!」
 私は両手で自分の顔を隠し、ひなたさんの視線から逃れた。


 その後も、ひなたさんは私のことをいじめ続けた。
 何度も何度もイカされたせいで、私の頭は真っ白になり、何も考えられなくなっていた。
 ただひたすらに与えられる快楽に身をゆだねていると、やがてひなたさんが、私の顔に座り込んできた。
「エミリーちゃん。次はあたしにしてくれるかい?」
 目の前に出されたひなたさんの秘所もすでに濡れぼそり、陰核は大きく膨らんでいた。
 もわりと立ち上がるひなたさんの濃厚な匂い。それを胸いっぱいに吸い込むと、お腹の奥がずんと痺れた。
 私はひなたさんの重さを感じながら、秘所から湧き出ている愛液を啜る。
 ほんの少しの生臭さと酸味を感じたが、それはすぐに気にならなくなり、私の中で美味しい物として変換される。
「んむっ……ちゅぷっ……じゅる……ぴちゃっ……」
「はぁ……。いいよ、エミリーちゃん」
 ひなたさんは私の頭を撫でてくれる。それがとても嬉しくて、私は夢中でひなたさんに奉仕する。
「うん……。上手だよ」
 そう言ってくれるのが嬉しかった。もっと喜ばせたくなって、私はさらに奥まで舌を伸ばす。
「んんっ……エミリーちゃん、すごく気持ちいいよ……」
 ひなたさんの声に気をよくした私は、さらに強く吸い付く。
「ああっ! だめ、それすごい……。んっ……くぅっ!」
 ひなたさんは少し苦しそうな表情を浮かべた後、体を仰け反らせた。
「んんっ……ふわぁっ!?」
 突然、ひなたさんの体重を支えていた太ももに力が込められ、私は顔を強く押しつぶされる。
 鼻が塞がれ息ができない。苦しいはずなのに、なぜかお腹の奥がきゅんきゅんと疼いてしまう。
「んっ……ちゅぷ……ぺろ……れろぉ……ぴちゃ……くちゅ……じゅぶ……れろれろ……ちゅぱ……ずぞぞぞっ……じゅるるっ……」
 苦しいながらも私の愛撫でひなたさんが感じるのが嬉しくて、ひなたさんにもっともっと感じて欲しくて、舌を激しく動かした。
 お腹の奥の疼きが強くなり、いよいよ我慢が出来なくなった。私の指が自然と自分の膣内に潜り込み、上下運動を繰り返していた。
「ああっ! エミリーちゃん! イクッ!!」
 次の瞬間、口の中に大量の液体が流れ込んでくる。それと同時に頭の中が真っ白になって、意識を失いそうになる。ひなたさんにつられて、私も軽くイったみたいだった。
「ごめん、大丈夫だったかい?」
 ひなたさんがのろのろと私の顔から降りて少し心配そうに尋ねる。
 ようやく解放された私は、ひなたさんの言葉にこくりと首を縦に振る。
「ありがとう、気持ちよかったよ」
 ひなたさんは、私を抱きしめてくれた。
「さっきの、凄かったです……」
「あたしも、エミリーちゃんにしてもらってる時、凄く興奮しちゃった」
「あの、……今度はひなたさんが私にしてくれますか……? その、私、また……」
 ひなたさんの乱れってぷりと、ひなたさんの匂い、味。そして、中途半端に小さくイったのが原因で私の身体の疼きは増すばかりだった。
「じゃ、今度はエミリーちゃんが上になって」
 先ほどひなたさんがしたように、今度は、私がひなたさんの顔に座る。
 ちょうどひなたさんの顔の上に私の秘所が来るような体勢になる。
「あっ……」
 ひなたさんの吐息を感じただけで、身体がさらに熱くなってしまう。
 すぐに、ひなたさんの舌が、陰核や肉襞をくすぐってくる。
「ひゃうっ! んっ! んぁっ!」
 思わず腰を引いてしまうけれど、ひなたさんは逃してくれない。
「エミリーちゃん、あたしも……」
 その言葉を聞いて私は身体を前に倒し、二つ巴の形を取り、ひなたさんが私にやってくれているようにひなたさんの陰核や肉襞を舌でくすぐる。
「んっ! あっ! あぁっ! これぇっ! すごぃっ! ひぅっ! ああっ! んぅっ!!」
 お互いにお互いを責め合って、どんどん高まっていく。
 そして、ついに限界が訪れた。
「ひぅっ! あっ! あああああぁぁっ!!!」
「んぐっ……! んん〜っ!!」
 同時に絶頂を迎えた私たちは、そのまま抱き合い余韻に浸った。

 しばらくしてから、私はひなたさんと二人でお風呂に入り直すことにした。
 ひなたさんが散水浴をして、わたしは少しぬるくなった湯船につかっている。
 ひなたさんはすぐに散水浴を切り上げると、湯船に入ってきた。
 二人で湯船につかるときは、対面にならず、ひなたさんが前で私が後ろで、私がひなたさんを抱きしめる格好だ。
「ふう……。気持ちいいです」
「そうだねぇ」
 二人とも裸のまま、身を寄せ合う。
 お湯越しに伝わる体温も心地いい。
 ひなたさんとこうして一緒にいると、とても幸せな気分になれる。
 私はひなたさんをもっと感じたくて、ぎゅっとひなたさんを抱きしめる。
「どうしたんだい?」
「いえ、なんでもないんですけど……。ただこうしたくて」
「そっか」
 それからしばらくは、ちゃぷちゃぷと水の音しかしなかった。
 私もひなたさんも、お互いの体温と、心地よい空間を楽しんでいた。
「ふぁー」
 そうこうしてると、ひなたさんが大きなあくびをした。
「いい時間になりましたし、そろそろ寝ましょうか」
 私たちはお風呂から上がって、すぐに寝台に潜り込んだ。
「念のために、目覚ましかけておきますね。8時でいいですか?」
「もっと早く起きれると思うけど、それで。もし、二人とも目覚ましに起こされるようなら、朝ご飯は動物園で食べようかね」
「そうですね。それじゃあ、おやすみなさい」
「はい。おやすみなさい」
 ひなたさんは枕元にある遠隔操作器を使って、電気を消した。


 ふわっという感覚と共に、私は目が覚めた。
 目を開けると、目の前にはひなたさんの可愛い顔があった。
 まだ、眠っているみたいだ。
 私たちの朝は早い。いつも6時頃に目覚めることが多い。
 枕元の時計を見ても、時間は5時45分を指していた。
 私は、ひなたさんの頬に手を当てて、優しく撫でる。
 するとひなたさんはぼんやりと目を開けて、ふにゃりと微笑んでくれた。
 しばらくすると、ひなたさんは伸びをして、身体を起こした。
「おはようございます。エミリーちゃん」
「おはようございます。ひなたさん」
 そう言った後、ひなたさんは私の額に軽く口づけをしてきた。
 それがなんだかくすぐったくて、私は身じろぎする。
 それを見たひなたさんは微笑むと、今度は頬に、そして最後に口に口づけをした。
 昨日の晩と同じように、最初は軽く触れ合わせるだけの優しいものだったけれど、次第に舌を差し入れてきて、絡めるような深いものになる。そしてそれは、段々と激しくなっていく。
「んっ……! んぅっ! んちゅっ! んんっ!」
 息継ぎをする暇もないほど、ひなたさんとの接吻に夢中になっていると、ひなたさんの手が胸にふれてきた。いつの間にか寝衣の上は脱がされていた。
「んっ! あっ……! んぁっ……!」
 いきなりの刺激に、私はビクンと体を震わせる。
 そんな私に構わず、ひなたさんは私の胸を刺激し続ける。
「ひゃうぅっ!! んぐっ! ん〜っ!!」
 声を上げようとしたけれど、ひなたさんが口をふさいでいるため、うまくいかない。
 私は、なんとか抵抗しようとしてみるものの、快感のせいで身体に力が入らない。
 やがてひなたさんが私の下半身へと移動していき、下着越しにそこに触れた。
「ああんっ!」
 私は思わず大きな声で喘いでしまった。
「やっぱりここが一番気持ちいいんだね」
 ひなたさんは嬉しそうな表情を浮かべている。
 ひなたさんは私の反応に気をよくしたのか、そのまま指を動かして私を攻め立ててくる。
「やぁっ! だめぇっ! そんなことされたらぁ……!」
 そうしているうちに、私は限界を迎えそうになっていた。
 そんな私の様子に気づいたのか、ひなたさんは動きを止めて、私に声をかけてくれる。
「エミリーちゃん、気持ちいいかい?」
「……恥ずかしいです」
 私がそう答えると、ひなたさんは満足そうに笑って、それからまた口付けてきた。
 ひなたさんの舌が私の口内で暴れ、歯茎や舌の裏なんかもなめ回される。
 その一方で、下着越しの攻撃は止まらない。先程よりも強い力で揉みこまれる。
「んふぅっ! はむっ! ちゅぷっ! んん〜っ!」
 私のあえぎ声は、全てがひなたさんの口腔内に消えていく。
 しばらくして、ようやくひなたさんが口を離してくれた時には、私は息も絶え絶えになっていた。
 はぁはぁと息を整えていると、ひなたさんは、私の下着に手を入れ、直接触れてくる。
 既にそこは洪水のように濡れていて、少し触れられただけで水音がするほどになっている。
「エミリーちゃん、濡れてるね」
「言わないでください……」
 それはとても恥ずかしかったけれど、それよりももっと触ってほしいという思いの方が強かった。
 だから、ひなたさんにお願いをする。
「……ひなたさん」
「どうしたの? エミリーちゃん」
「……もっとさわって下さい……。いっぱい気持ちよくしてください」
 それを聞いたひなたさんはとても嬉しそうな顔をして、何も言わずに、陰核への愛撫を始めた。
 敏感な部分を擦られるたびに、全身に強い快感が走る。
 その度に私の口からは悲鳴のような声が漏れてしまう。
 しかし、ひなたさんの手の動きは決して止まることはなく、むしろさらに激しさを増していった。
「あああっ!!! だめえぇっ!! こんなのすぐイっちゃいますぅ!!」
 もう、我慢できない……! そう思った瞬間、ひなたさんが耳元に顔を寄せてきて囁いた。
「いいよ。何回でもイッてね。エミリーちゃんがあたしの手で感じてくれて嬉しいから」
 そしてとどめとばかりに、一番感じる所を強く押し潰すように責められた。
「あああっ!!! イクッ! イグゥウウッ!!」
 身体が跳ねるように震えて、頭が真っ白になりそうなほどの快感が私を襲う。
「はあ……はあ……はあ……」
 私が達したのをわかったはずなのに、ひなたさんは陰核への愛撫をやめなかった。
「やっ! 今敏感になってるんです! だめですぅっ! おかしくなっちゃいますぅっ!」
「大丈夫だよ。もっともーと気持ち良くなってね」
「やぁっ! またすぐイっちゃうぅっ! あぁっ!」
 私は二度目の絶頂を迎えた。
「はあっ……。はあっ……」
 私は肩で息をしていると、ひなたさんは、私のお尻を持ち上げて、寝衣の下と下着を一緒に抜き取る。
 そしてすぐに私の足の間に入ると、私の秘裂に指を入れて動かし始めたのだ。
「やだっ! いまイったばかりなんですよぉっ!」
「知ってるよ。エミリーちゃん、可愛い」
「うぅ……! いじわるしないでくださいぃ……!」
「ごめんねぇ。だって可愛いんだもん」
 ひなたさんはそう言って、私に接吻をする。
「んむっ! んんっ! んふぅっ!」
 そして、それと同時に、ひなたさんの指が私の膣内をかき回す。
「んっ! んんんっ! ん〜っ!」
 2度の絶頂を迎えたばかりの身体には強すぎる刺激だった。
 私は再び昇りつめてしまいそうになる。
「ぷはぁっ! ひなたさぁん! わたしまたぁ! またぁ!」
「うん。わかってる。いっぱい気持ちよくなってね」
「もうっ、ゆるしてくださぃっ」
 私は懇願するように言ったけれど、ひなたさんは許してくれなかった。
 それどころか、むしろ責めが激しくなる。
「だめですっ! ほんとにダメェッ!」
 ひなたさんの指が膣内の勘所を刺激してくる。
 私の弱点を知り尽くしているような動きで、的確に攻め立てられる。
 もう限界は近い。私は必死に耐えようとしたけど、無駄なことだと悟った。
 それでもなんとか耐えようと身体に力を入れていると、突然ひなたさんの手の動きが止まった。
 私は困惑する。どうして止めてしまったのかと。思わず懇願するような目で、ひなたさんを見る。
 すると、ひなたさんも懇願するような目で、私を見つめていた。
「エミリーちゃん、あたしのも弄ってくれないかい?」

 そう言って、ひなたさんは私の手を取り、ひなたさんの秘所に導いた。
 気が付くと、ひなたさんはいつの間にか全裸になっていた。
 私はひなたさんの言う通りに、ひなたさんの秘所に手を伸ばす。ひなたさんの秘所も、ぐっちょりと濡れていた。
「んふぅっ……」
 ひなたさんが艶っぽい声を上げるのが聞こえた。
 そのまま、ひなたさんに導かれたとおりに、割れ目をなぞっていく。くちゅりという音がした。
 さらに触れてみると、そこはとても熱くて、ぬるっとしていて、そして、とても柔らかい。
 しばらくその感触を楽しんだ後、私はゆっくりと秘裂へ指を差し入れた。
「んっ……、はぁ……」
 ひなたさんが悩ましげな声を上げた。
 ひなたさんの膣内は狭くて、それでいて、奥まで入れると柔らかく包み込んでくるようで、まるで別の生き物みたいだった。
「んっ、くぅっ……」
 ひなたさんは、私の指の動きに合わせて小さく声を上げている。
 ひなたさんはどんな顔で気持ち良くなっているのだろうと思って、ちらっと見る。
 ひなたさんは目を閉じて頬を赤く染めながら、切なげに眉をひそめていた。
「ひなたさん、すごく可愛いですよ」
「言わないで、恥ずかしいべさ」
「私は、いつもひなたさんにそう言われてるんですよ」
 そう言いながら、ひなたさんの秘裂に出し入れを繰り返し、指を膣内で曲げたり伸ばしたりしてひなたさんの弱点を探る。
 とある部分を触ると、ひなたさんの艶めいた声が大きくなった。
「ここですね?」
「うん……。そこ……。だめ……」
 ひなたさんがそう言うのを聞いて、私はその場所を重点的に攻める。
「ああんっ! だめだってばぁ!」
「でも、ここはそうは言ってませんよ」
「そんなことないもんっ! だめぇっ!」
 ひなたさんは首を振って否定するが、明らかに他の場所より感じていた。
 私は夢中で手を動かし、ひなたさんを攻め立てる。
 ひなたさんの声が大きくなっていく。
「エミリーちゃん……。ごめん……。あたし……もう……イきそうだから……一緒に……!」
 そう言って、ひなたさんは私の手を取り、引き抜いた。
 そして、ひなたさんはそのまま私を押し倒して、私の右足を持ち上げ、自分の秘所を私の秘所へ押し付けて来る。
「ああっ! いいっ!」
「あたしもいいよ……。エミリーちゃん……!」
 お互いに擦れ合う感覚が気持ち良くて、私たちは夢中で動いていた。
 ひなたさんと私の大事なところが重なりあう。
 ひなたさんの柔らかい肉襞が私の陰核を刺激し、が体内にはじけ飛ぶ。
 はじけ飛んだ快楽が、私の腰をぶんぶんと揺り動かし、その刺激でひなたさんが快楽を受け取る。その繰り返しで、どんどん高みへと押し上げられていく。
「あああっ! イクゥっ!」
「あたしも……いっしょにイこうね……」
 そして、ひなたさんと私が同時に絶頂を迎える。
「ああぁーっ!!」
 ひなたさんが達すると同時に、ひなたさんの秘所から透明な液体が勢いよく噴き出す。
 それが私の陰核を刺激し、私もさらなる高みに連れて行かれる。
「やあぁっ!!」
「はあ……。はあ……」
 ひなたさんが私の上に倒れ込む。
 しばらくして、ひなたさんが口を開いた。
「はあ……。はあ……。気持ち良かったね」
「はい……。すごかったです」
 二人の体液でびしょ濡れになった布団の上で、私たちは抱き合っていた。
 私が夜に掛けた、目覚ましが鳴り響くまで。

 目覚ましが鳴ったあと、すぐに私たちは、動き出した。
 散水浴で、お互いの体液を洗い流し、出かけるための身だしなみを整えた。
「それじゃあ、行こうか。朝ご飯は動物園で食べようね」
「はい!」
 私たちは手をつないで、駅へと向かう。
 今日はひなたさんが長期撮影旅行から帰ってきて、二人っきりになれる休日。
 きっといつも以上に素敵な日になる。そう思いながら、私はひなたさんに微笑んだ。

FIN




あとがき

今回のエミリー語について
電子伝言 メッセージ
長椅子 ベンチ
室内履き スリッパ
珈哩ご飯 カレーライス
珈哩 カレー
馬鈴薯 じゃがいも
薬缶 ヤカン
駆れ固形調味料 カレールー
焼き印 ブランド
追複曲 カノン
散水浴 シャワー
散水浴器 シャワー
海綿 スポンジ
撒拉托 サラダ
湯飲み コップ
寝台 ベッド
遠隔操作器 リモコン
寝衣 パジャマ


エミリーがしてしまった1回とその後の失態は、「貴女に逢いたくて。淋しくて。」に記載があります。
こちらは官能表現は1%未満のノンアルコール状態ですので、そういうのが読みたい人は期待しないほうがいいかも。


あとがき
官能ものをここまで長いものを書いたのは初めてですね、
官能ものは自分には難しくてAIのべりすとを使用してみました。
設定なしに使ったので、ひなたにすぐ生えてしまうのは閉口しました。

このお話は以下の文章の書き出しではじめ、そのほかの下書きをのべりすとに書いてもらいました。
もちろん、途中途中で台詞や文言を付け加えたり、何度かやり直しを要求しています。

【今日は早く帰りたかった。
いつも頑張っていないわけではないけど、特に今日は1回で終われるように、細心の注意を払った。
ひなたさんが長期撮影旅行から帰ってくる。】

           ★

AIのべりすとを使った感想ですが、キャラクター任せの演技の部分をAIに任せられるというメリットがあるなと感じました。必要に応じて、誘導もできますし、初稿を出すのが難しい自分にはかなりあってる気がしました。

自分がお話を書く場合って、シナリオ、演出、演技指導全部やって、キャラクターが動いて、お話になるって感じです。
自分が書いていると、キャラクターがうまく動いてくれなくて、筆が止まることが多くて、筆を進めるのにかなりの時間が必要になる場合があったりします。(5年かけてまだ完成できていないお話があります。文字数は2万字もないんですけど。しかも現在着地点を失って迷走中です。のべりすとに助けてもらおうか考え中です)
だからこそ、1シーンに限定したお話を書くことが多いのですけど。
しかし、AIに演技の部分を任せることによって、自分では想定しなかった、演技をキャラクターが見せることもあります。この辺が今回使ってみてよかったなと思う要因です。

AIが書いた文章は自分が書いた文章といえるのか?という点ですが、個人的には問題ないかなと感じています。自分がシナリオを頭に浮かべていても、うまく言語化できない。そのうまく言語化できないという部分を言語化してくれるツールと感じました。
AIは文章を書いてくれるけど、所詮は初稿――下書きで、校正は必要だし、校正していくうちにAIぽさが抜けて、自分らしさが足されていくのかなと感じました。

次回も多分AIのべりすとを使った官能系作品の予定です。
官能表現部分で止まっていた、育ひなを完成させたいなと思ったので。

ここに掲載するにあたり、カレーの表記を珈哩としています。『口加口厘』を使いたかったのですが、環境依存文字で使えませんでした。


2023/09/08 Ver.1.00 初稿完成
2024/06/19 Ver.1.01 環境依存文字だったため、カレーを珈哩に修正
2025/09/10 Ver2.00 表紙・挿絵追加